言語聴覚士のコラム

【ひらがな練習】幼児期におすすめの鉛筆選びのポイントを解説!

黒猫

幼児期のひらがな練習では、どんな鉛筆を選ぶかが意外と大切です。
濃さ・形など種類が多く、「何を選べばいいの?」と迷う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、お子さんの手の成長を考慮しながら、鉛筆選びのポイントをわかりやすく解説します。

ここで取り上げるのは、近所の文房具コーナーでも手に入る「一般的な鉛筆」です。身近なものだからこそ、お子さんに合ったものを選んでいきましょう。

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言語聴覚士
Profile
『子ども分野の言語聴覚士(小児ST)』として働いています。支援に関わる中で、「こんな教材があったらいいな」と感じたものを形にし、プリントを作成しています。

幼児期の鉛筆選び、まずは結論から

難しく考えなくて大丈夫です。まずはこの2点を押さえておきましょう。

  • 濃さ:まずは「2B」から始め、筆圧に合わせて調整する
  • 形:しっかり持てるなら六角形、持ち方がまだ不安定なら三角形

年中さん前後になるとひらがな練習を始めるお子さんも増えてきますが、この時期はまだ鉛筆の持ち方が十分に身についていないことがほとんどです。
だからこそ、鉛筆選びが子どもの書く力の土台をつくる大切な要素になります。

合った鉛筆を使うとこんなメリットがある

お子さんに合った鉛筆を選ぶことで、次のような効果が期待できます。

子どもに合った鉛筆のメリット
  • 正しい持ち方が自然と身につく
  • 筆圧のコントロールが育つ
  • 運筆力(なめらかに書く力)が上がる
  • 手が疲れにくくなる
  • 書くことへのモチベーションが上がる

鉛筆の「濃さ」の選び方

鉛筆には17種類の濃さがある

鉛筆の濃さはJIS規格で17種類に分けられており、柔らかい(濃い)順に以下のように並んでいます。

6B → 5B → 4B → 3B → 2B → B → HB → F → H → 2H → … → 9H

一般的な文房具店で手に入るのは、4B〜2Hあたりです。幼児期に使うのであれば、この中から選べば十分です。

筆圧に合わせて選ぶのが基本

「幼児には6Bがいい」と聞いたことがある方もいるかもしれません。

たしかに、筆圧が弱いお子さんには濃い鉛筆が向いています。ただ、筆圧が強いお子さんが6Bを使うと芯が折れやすく、かえって書きにくくなることもあります。

基本的には、筆圧が弱いほど濃い鉛筆が書きやすいと覚えておきましょう。

ひらがな練習のスタートには、まず2Bがおすすめです。濃さと芯の丈夫さのバランスがよく、少ない力でもしっかり線が書けるため、まだ筆圧が安定していないお子さんでも取り組みやすくなります。

書いた文字が薄いと感じたら3Bや4Bへ、芯が折れやすかったり線が濃くなりすぎたりするようならBに変えてみてください。

小学校でもBまたは2Bを推奨するケースが多いので、就学後もそのまま使えるという点でも2Bは使い勝手がいい選択肢です。

私自身も言語聴覚士として子どもたちの書字支援に関わる中で、幼児期の鉛筆は2Bを第一選択にしています。

まずは2Bから始め、お子さんの筆圧や書きやすさに合わせて調整していくのがおすすめです。

濃い鉛筆を使う3つのメリット

濃い鉛筆(Bや2B)には、薄い鉛筆にはない実用的なメリットがあります。

  • 疲れにくい:
    濃い鉛筆は少ない力でもしっかり書けるため、長時間の練習でも手が疲れにくくなります。
  • 「とめ・はね・はらい」が練習しやすい:
    弱い力でも筆跡が残るので、微妙な力加減が必要な「とめ・はね・はらい」を表現しやすくなります。
  • 消しゴムで消しやすい:
    紙に力を込めて書いた文字より、軽く書いた文字の方が消しゴムで消しやすいのです。紙を押さえながら消すという動作は幼児にとって難しいため、消しやすい鉛筆は大きなメリットです。

鉛筆の「形」の選び方

鉛筆には六角形・三角形・丸型などがあります。幼児期によく使われる六角形と三角形の特徴を見ていきましょう。

左が三角形、右が六角形。どちらも親指・人差し指・中指の3点で持つ設計になっている)

六角形の鉛筆

一般的な鉛筆の形です。転がりにくく、持ちやすい形として長年使われてきました。鉛筆は親指・人差し指・中指の3点で持つため、3の倍数である六角形が合理的な設計とも言えます。

すでに正しい持ち方ができているお子さんには、六角形の鉛筆で十分です。

三角形の鉛筆

まだ持ち方が安定していないお子さん向けに設計されたのが三角形の鉛筆です。3つの面が指を自然な位置に誘導してくれるため、正しい持ち方が身につきやすくなります。

鉛筆の持ち方は、手のひら全体で握る段階から、指先で操作する段階へと発達していきます。

段階①
段階②
段階③
段階④

手のひら全体で握るような持ち方(段階③)をしているお子さんには、三角形の鉛筆がおすすめです。正しい持ち方(段階④)に近づいてきたら、六角形に切り替えてもよいでしょう。

鉛筆選びで気をつけたいこと

費用について

鉛筆は消耗品です。高価なものが必ずしも書きやすいわけではありません。お子さんに合った鉛筆を、無理なく続けられる価格帯で選びましょう。

安全面について

小さなお子さんが使うものなので、安全基準をクリアしているメーカーを選ぶと安心です。

三菱鉛筆・トンボ鉛筆・サクラクレパスなどの国内大手メーカーであれば品質・安全面ともに信頼できます。

デザインについて

キャラクターものやカラフルな鉛筆は丸型が多く、正しい持ち方が身につきにくいことがあります。デザインの魅力よりも、まずは持ちやすさ・書きやすさを優先して選ぶのがおすすめです。

まとめ

幼児期の鉛筆選びのポイントは、シンプルに2つです。

項目おすすめ
濃さまずは2Bから。文字が薄い場合は3B・4Bへ、濃すぎる場合はBへ調整
持ち方が安定していれば六角形、まだ不安定なら三角形

お子さんに合った鉛筆を選ぶことで、持ち方・書く力・練習へのやる気がぐっと変わってきます。完璧な鉛筆を最初から探さなくても大丈夫。

まずは2Bを手にとって、お子さんの筆圧や書きやすさを見ながら調整していきましょう。

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