MENU
くろねこ
【言語聴覚士】
総合病院で働く子ども分野の言語聴覚士(小児ST)。
「ことばの発達」が専門ですが、身辺自立・運動発達の知識もあります。
「幼児ことばの教室」「通級指導教室」の先生を対象とした研修で講師もしています。

【ひらがな練習】幼児期におすすめの鉛筆選びのポイントを解説!

幼児期の鉛筆選びは、子どもがひらがな練習をする上で大切な要素です。

濃さや鉛筆の形状など色々な鉛筆があるので、どの鉛筆を選べばいいのか分からないご両親も多いのではないでしょうか。

そこで、この記事では幼児期のお子さんの手の成長を考慮した、鉛筆選びのポイントについて解説します。

鉛筆は消耗品であるため、比較的小さな文房具コーナーでも売っているような「一般的な鉛筆」を想定した内容になっています。

身近なモノだからこそ、お子さんに合ったものを選ぶことが重要です。

お子さんに合った鉛筆選びの参考にしてください。

この記事の著者「くろねこ」

くろねこ

お子さんの発達を支援する言語聴覚士で、総合病院で働いています。

言語聴覚士は言語発達を専門とするリハビリ職種です。

目次

幼児期の鉛筆選びの重要性

結論から書くと

  • 「B」か「2B」の濃さの鉛筆を基準に筆圧に合わせて調整
  • しっかり持てる子は6角形の鉛筆、持ち方がまだ身についていない子は3角形の鉛筆

がおすすめです。

幼児期では塗り絵・迷路などの筆記具を使いはじめる時期です。

また、年中さんくらいから「ひらがな練習」をするお子さんもいるのではないでしょうか。

幼児期は、鉛筆の持ち方が十分獲得されていないにもかかわらず、書字練習をする時期です。

そのため、鉛筆選びは非常に重要な要素といえます。

幼児期に合った鉛筆を選ぶメリット

お子さんにあった鉛筆を選ぶことは以下のメリットがあります、

  • 正しい持ち方を身につけられる
  • 筆圧のコントロールが身につく
  • 運筆力が身につく
  • 手が疲れにくくなる
  • 姿勢がよくなる

また、書きやすい鉛筆を選ぶことで、ひらがな練習に対するモチベーションが向上することもあります。

幼児期の鉛筆選び2つのポイント

幼児期の鉛筆選びをするときにチェックしておきたい2つのポイントを紹介します。

大切!
幼児期の鉛筆選びで考慮する2つのポイント
  • 子どもが書きやすい鉛筆を選ぶ
  • 小学校では「B」「2B」を推奨されることが多い

それぞれについて説明します。

子どもが書きやすい鉛筆を選ぶ

子どもが書きやすいかどうかは、鉛筆選びで重要です。

そして、「書きやすさ」は

  • 芯の硬さ(濃さ)
  • 持ちやすさ

の影響をうけます。

芯の硬さ(濃さ)

芯の硬さは筆跡の濃さに影響します。

筆圧のコントロールがまだ安定していない時期は芯の硬さを調整することで、書きやすくなります。

持ちやすさ

持ちやすさに影響する要因は下記があります。

  • 鉛筆の形状
  • 鉛筆の太さ
  • すべりにくさ
くろねこ

鉛筆の形状については下で詳しく解説するよ。

小学校では「B」「2B」を推奨されることが多い

最近の小学校では鉛筆の濃さとして「B」や「2B」が推奨されることが増えています。

したがって、筆圧が弱く、幼児期に「5B」・「6B」を使う場合は、筆圧が高まってきたら徐々に硬い芯の鉛筆へ変えていくことを想定しておく必要があります。

くろねこ

「H」や「2H」を使っている子も同じだよ。

鉛筆の濃さ

鉛筆には、様々な濃さがあります。

幼児期の子どもに合った鉛筆の濃さについて解説します。

JIS規格で17種類の濃さがある

鉛筆の筆跡の濃さは、芯の硬さと関係しています。

芯の硬度の記号は、柔らかいものから順番に、

6B・5B・4B・3B・2B・B・HB・F・H・H2・H3・H4・H5・H6・H7・H8・H9

の17種類があります。

小さな文房具コーナーでも売っているのは

4B・3B・2B・B・HB・F・H・2H

あたりでしょう。

筆圧に合わせて鉛筆の濃さを選ぶ

子どもの筆圧に合わせた濃さの鉛筆を選ぶことが大切です。

筆圧が高い子は薄い(硬い)鉛筆、筆圧が弱い子は濃い(柔らかい)鉛筆を選びましょう。

濃い鉛筆のメリット

先ほど記載した通り、小学校では少し濃いめの「B」・「2B」が推奨されることが多いです。

その理由は、子どもは筆圧が低く、文字が薄くなってしまうことが多いためです。

他にも濃い鉛筆を使うメリットを3つ紹介します。

  • 疲れにくい
  • 「とめ、はね、はらい」が身につきやすい
  • 消しゴムで消しやすい

濃い鉛筆は疲れにくい

濃い鉛筆は、書くときに力を入れすぎずに済むため、疲れにくいです。

濃い鉛筆は「とめ、はね、はらい」が身につきやすい

「とめ、はね、はらい」を書くためには、微妙な力加減が必要です。

弱い力でも筆跡の残るため、「とめ、はね、はらい」は濃い鉛筆の方がしっかり書けます。

濃い鉛筆は消しゴムで消しやすい

濃い鉛筆で弱い力で書かれて文字と、硬い鉛筆で力を入れて書かれた文字を比べると、濃い鉛筆で書かれた文字の方が消しゴムで消しやすいです。

消しゴムで字を消すという動作は、子どもにとって難しい動作です。

片手で紙を押さえ、紙が破けない程度の力加減が必要です。

消しゴムで消しやすい鉛筆は子どもにとってメリットと言えます。

幼児期に使う鉛筆は「B」か「2B」ではじめて、お子さんの筆圧に合わせて変えるとよいでしょう。

鉛筆の形

鉛筆には、3角形や6角形、丸型など、様々な形状があります。

子どもが使うことが多い、代表的な6角形と3角形の鉛筆の特徴を紹介します。

左:3角形、右:6角形の鉛筆

6角形の鉛筆の特徴

一般的な鉛筆は6角形をしています。

6角形の理由は、転がりにくく、持ちやすいためです。

鉛筆を持つ場合は、かならず3点(親指、人差し指、中指)で握るため、3の倍数の必要があります。

3角形の鉛筆の特徴

鉛筆の握り方がまだ十分でない、子ども向けにさらに握りやすく設計されたものが3角形の鉛筆です。

指の当てる位置が規定されるため、正しい握り方になります。

子どもの鉛筆の握り方は下のイラストの順番で身につきます。

段階3の握り方をするお子さんには、3角形の鉛筆を使うことで正しい握り方を身につけられるでしょう。

すでに最終段階の持ち方ができる子は6角形の鉛筆でOK

鉛筆選びの注意点

鉛筆を選ぶ際には、以下の点に注意して選ぶことが大切です。

費用

鉛筆は、安価なものから高価なものまで様々な価格帯があります。

高価な鉛筆ほど書きやすいとは限りません。

消耗品のため、安くてお子さんに合った鉛筆を選びましょう。

安全面

小さなお子さんは鉛筆を口に入れたり、手に刺したりすることがあります。

安全基準にも配慮が必要です。

  • 三菱鉛筆
  • トンボ鉛筆
  • サクラクレパス

など有名メーカーは安心です。

デザイン

子どもが好きな、キャラクターやカラフルなデザインの鉛筆は丸型のものが多いです。

デザインよりも、正しい持ち方が身につく鉛筆を選びましょう。

まとめ

鉛筆選びのポイントは

①「B」か「2B」の濃さの鉛筆を基準に筆圧に合わせて調整
②しっかり持てる子は6角形の鉛筆、持ち方がまだ身についていない子は3角形の鉛筆

お子さんに合った鉛筆を選ぶことで、鉛筆の持ち方・書く力・ひらがな練習のモチベーションが高まります。

お子さんに合った鉛筆で、楽しくひらがな練習を進めてくださいね。

コメント

コメントする

目次