身辺自立

幼児の顔の洗い方|自分で洗えるようになるための練習方法

黒猫

大人にとって洗顔は「さっぱりする」「目を覚ます」「身だしなみを整える」といった理由から自然に習慣になっています。でも子どもにとって、朝に顔を洗う必要性はなかなかピンとこないものです。

それだけでなく、

  • 顔が濡れる感覚が不快
  • 水の冷たさが苦手
  • 目に水が入りそうで怖い

こんな理由から、洗顔を嫌がるお子さんはとても多いです。

とはいえ、目やにや食べかすのついた顔のままというわけにもいきません。できるだけ早い時期から習慣のひとつにしたいですよね。

この記事では、お子さんが「自分で顔を洗える」ようになるための具体的なポイントをスキル・環境の両面からお伝えします。

顔を洗えるようになる時期の目安

一般的に、1歳半頃には汚れた口元を拭こうとするしぐさが見られ始め、3歳半〜4歳頃になると、不完全ながらも水で顔を洗えるようになってきます。

ただし、水が苦手なお子さんはそれより時間がかかることも。焦らず、次のステップを参考にしながら少しずつ進めていきましょう。

洗顔をマスターするための4つのスキル

顔を洗う動作には、実はいくつかのスキルが組み合わさっています。ひとつずつ丁寧に練習していきましょう。

① 目を閉じたままでいる練習

水で顔を洗うとき、目を閉じたまま動作を続けることが基本です。大人には簡単に思えますが、子どもにとっては意外と難しいスキルです。

仰向けに寝た状態で、親が10数える間、目を閉じ続けてもらいます。目が開きそうになったら、まぶたにそっと触れて「つぶったままだよ」と声をかけてあげましょう。ゲーム感覚でできるので、楽しみながら取り組めます。

② 濡れタオルから慣れていく

顔に直接水がかかることを怖がるお子さんには、まず濡れタオルで顔を拭く練習から始めるのがおすすめです。慣れてきたら、タオルに含む水分を少しずつ増やしていきます。

練習のポイントは次の通りです。

  • 目は閉じた状態で行う
  • 目の周り以外の部分(頬や額)から始める
  • 少しずつ水分量を増やしてステップアップする

子どもの反応を見ながら、スモールステップで進めることが大切です。

③ 手で水をすくう練習

「手で水をすくう」ことも、洗顔には欠かせないスキルです。指が伸びてしまうとうまく水がすくえないため、指と手のひらを丸めてお椀のような形にすることがポイントです。

お風呂の浴槽の中で練習すると、こぼれても気になりにくいのでおすすめです。はじめは親が子どもの手を支えながら行い、慣れてきたらすくった水でおもちゃに水をかけたり、洗面器に水をためたりして遊びながら練習しましょう。砂場で砂をすくう遊びも、同じ動作のトレーニングになりますよ。

④ 顔に水がかかる瞬間に息を止める練習

顔に水がかかる瞬間、タイミングよく息を止めておかないと鼻に水が入ってしまいます。一度でも痛い思いをすると、一気に苦手意識が生まれてしまうことも。

顔を洗うマネをしながら、「水がかかるよ〜」というタイミングで息を止める練習を取り入れてみましょう。ゲームのようにできると理想的です。

成功体験を積み重ねるための環境づくり

まずはお風呂で練習する

朝の支度中は時間の余裕がないことも多いですよね。最初はお風呂の中で練習するのがおすすめです。濡れることを気にしなくていいですし、洗面器に水をためて水をすくう練習もできます。ある程度できるようになってから、洗面台での洗顔に移行していきましょう。

お風呂なら濡れることを気にせず、楽しく洗顔の練習ができます

水が服や周囲に飛ぶのを防ぐ工夫

洗顔で服が濡れてしまうと、苦手意識がついてしまうことがあります。長袖のときはひじよりも上までしっかりまくり、踏み台を使って高さを調整し、顔が洗いやすい体勢をつくりましょう。水が周りに飛びやすいお子さんは、体を前に十分に倒せていなかったり、顔が下を向いていないことが多いです。姿勢も一緒に確認してあげましょう。

タオルをすぐ手渡せるようにスタンバイ

顔についた水分をすぐに拭けると、「大丈夫だった!」という安心感につながります。親が横でタオルを持ってスタンバイしておくか、子どもがすぐ手に取れる場所に置いておきましょう。この「すぐ拭ける」環境があるだけで、水への抵抗感がぐっと下がります。

「きれいにすることが気持ちいい」と感じさせる

スキルの練習と同じくらい大切なのが、清潔にすることへのポジティブな気持ちを育てることです。洗顔のあとには「きれいになったね、気持ちいいね」と声をかけてあげましょう。汚れがついていることが恥ずかしい、きれいにしてからお出かけするのがかっこいい、という身だしなみへの意識が、少しずつ育っていきます。

※技術より先に「清潔にすると気持ちいい」という感覚が根付くと、自分から洗顔しようとする気持ちが生まれてきます。

もっとじょうずに洗えるようになるための2つのコツ

自分の顔の「凹凸」を手で確かめる

私たちの顔は立体的で凹凸があります。鏡で見るだけではその形はなかなかわかりにくいもの。指1本で自分の顔を上からなぞるようにさわってみましょう(手全体で覆うよりも、指でなぞる方が凹凸を感じやすいです)。

「目のあたりがへこんでいるね」「鼻の横もへこんでいるね」「あごの下にも少しくぼみがあるね」などと声かけしながら一緒に触ってみると、楽しく自分の顔の形を覚えられます。

くぼんでいる部分には汚れが溜まりやすく、特に目頭や小鼻の横は意識して洗うことが大切です。自分の凹凸を知ることで、そこを意識して洗えるようになります。

自分の顔の凹凸を知ることで、洗い残しやすい場所を意識できるようになります

よく洗うべき場所を教える

子どもの顔の汚れとして特に気になるのは、目の周り(朝は目やにがつきやすい)と口の周り(よだれや食べかす)の2か所です。洗い終わったあとに鏡で見て、「きれいになったね!」と一緒に確認できれば、達成感にもつながります。

まとめ

幼児期のお子さんが自分で顔を洗えるようになるためには、いくつかのスキルと環境づくりを少しずつ積み上げていくことが大切です。

ポイント内容
目を閉じる練習数を数える間、目を閉じ続けるゲーム
水への慣れ濡れタオルから始め、水分量を少しずつ増やす
水をすくう練習お風呂や遊びの中で手をお椀形にして練習
息を止めるタイミング洗顔のマネをしながら練習
環境を整えるお風呂で練習→洗面台へ、タオルをすぐ手渡せる準備
顔の凹凸を知る指でなぞって汚れが溜まりやすい場所を覚える
気持ちを育てる「きれいになったね」の声かけで清潔感を育てる

すぐに上手にできなくても大丈夫。小さな成功体験を積み重ねながら、焦らず楽しく続けていきましょう。

ABOUT ME
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言語聴覚士
『子ども分野の言語聴覚士(小児ST)』として働いています。支援に関わる中で、「こんな教材があったらいいな」と感じたものを形にし、プリントを作成しています。
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