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くろねこ
【言語聴覚士】
総合病院で働く子ども分野の言語聴覚士(小児ST)。
「ことばの発達」が専門ですが、身辺自立・運動発達の知識もあります。
「幼児ことばの教室」「通級指導教室」の先生を対象とした研修で講師もしています。

【集中力up】幼児に適した机と椅子のサイズは?JIS規格を例に解説

幼児期には「塗り絵」や「迷路」など机の上で行う遊びがあります。

また、就学に向けてひらがな練習をはじめたり、学習習慣をつけるために机に向かって学習したりする機会も増えるでしょう。

家庭での学習では環境づくりが大切です。

その中でも机と椅子は欠かせない存在です。

子どもの体形に合った机と椅子を使うことで

  • 集中力がupする
  • 学習意欲が高まる
  • 疲れにくくなる
  • 鉛筆の使い方が上手になる

といった効果が期待できます。

このようなことを知ると「子どもに合った机・椅子ってどんなの?」「選ぶ上で注意することは?」

といった疑問を持つご両親もいるでしょう。

そこで、この記事では、幼児期のお子さんに適した机と椅子について解説します。

ぜひ、お子さんの学びにおける、環境作りの参考にしてください。

この記事の著者「くろねこ」

くろねこ

お子さんの発達を支援する言語聴覚士で、総合病院で働いています。

言語聴覚士は言語発達を専門とするリハビリ職種です。

目次

幼児の身体に合った机と椅子の特徴

幼児期に合った「机と椅子」は、学校で使用される日本産業規格(JIS規格)が参考になります。

JIS規格は、身長をもとに適切な机と椅子の高さを定めています。

また、机と椅子の適合評価の方法として以下の7項目を挙げています。

児童・生徒用の項目だけど参考になるよ
JIS規格の机と椅子の7つの適合評価項目
  • 靴を履いた足が床にぴったり着いている。
  • 机の下部には十分な下肢領域があり、大腿部を自由に動かせる。
  • 座面の前の部分で、座面及び大腿部の間に圧迫がない。
  • 机の高さは、上腕をまっすぐ下に伸ばした状態で、肘の位置が机面の先端高さとほぼ同じ位置にくる。
  • 背もたれは、腰の部分及び肩甲骨の下の部分で、背中をしっかり支える。
  • 膝の裏側と座面の先端部分との間には、隙間がある。
  • 背もたれと座面との間に適切な隙間があり、でん部を自由に動かせる。

幼児の身体に合った机と椅子は正しい姿勢を保つ

学習机は小学校入学時に購入タイミングで購入する家庭が多いです。

そのため、幼児期では、ダイニングの机を使ったり、リビングのローテーブルを使ったりするご家庭が多いのではないでしょうか。

子どもの身体に合った机と椅子は、正しい姿勢を保つために大切です。

幼児期の子どもは、身長が成長により異なり、個人差も大きいのが特徴。

成長途中だからこそ、お子さんに合った机と椅子を用意することが大切です。

正しい姿勢は集中力が向上する

正しい姿勢は子どもの集中力を向上させます。

その理由は疲れにくく、気が散りにくいから。

子どもの体形に合った机と椅子を使用することで、幼児は正しい姿勢を維持し、集中して学習することができます。

幼児期の机と椅子選びのポイント

幼児の身体的特徴に合わせることが重要な「机と椅子」。

学習習慣を身につける時期だからこそ、身長のサイズに合わせた選び方が大切です。

JIS規格を基準にお子さんに合った机と椅子の選び方をみていきましょう。

児童・生徒用の基準ですが、幼児期のお子さんにもあてはまります。

身長に合った机と椅子の選び方

正しい姿勢を保つためには、身長に合わせた机と椅子を選ぶ必要があります。

JIS規格に身長毎の机と椅子の高さの目安があり、詳細は下記の通りです。

標準身長(参考)机面の高さ座面の高さ
90cm40cm22cm
105cm46cm26cm
120cm52cm30cm
135cm58cm34cm
150cm64cm38cm
165cm70cm42cm
173cm73cm44cm

お子さんに合った机と椅子は、「机面と座面の高さ」が目安になります。

くろねこ

まずは机と座面の高さに注目!

次に、その他の参考にすべき基準をみてみましょう。

JIS規格の「机と椅子の7つの適合基準」

JIS規格だよ!
机と椅子の7つの適合評価項目
  • 靴を履いた足が床にぴったり着いている。
  • 机の下部には十分な下肢領域があり、大腿部を自由に動かせる。
  • 座面の前の部分で、座面及び大腿部の間に圧迫がない。
  • 机の高さは、上腕をまっすぐ下に伸ばした状態で、肘の位置が机面の先端高さとほぼ同じ位置にくる。
  • 背もたれは、腰の部分及び肩甲骨の下の部分で、背中をしっかり支える。
  • 膝の裏側と座面の先端部分との間には、隙間がある。
  • 背もたれと座面との間に適切な隙間があり、でん部を自由に動かせる。

1つ1つ以下に説明します。

靴を履いた足が床にぴったり着いている。

足が床にしっかりと接地している必要があるのは正しい姿勢を保つため。

足が床から離れている場合、子どもは机やテーブルに手をついたり、椅子の背もたれに頼ったりすることが多くなり、姿勢が悪くなりやすいです。

机の下部には十分な下肢領域があり、大腿部を自由に動かせる。

姿勢よく座っているように見えても、常に子どもは少しだけ足を広げたり、膝を曲げたりしています。

また、上半身を動かす時に足も連動して動きます。

机の下に足を動かす十分な空間がないと、不快感や疲れが生じます。

座面の前の部分で、座面及び大腿部の間に圧迫がない。

これも、膝を少し曲げたり伸ばしたりする空間を確保するため。

また、圧迫により血流が妨げられないようにするためにも必要です。

机の高さは、上腕をまっすぐ下に伸ばした状態で、肘の位置が机面の先端高さとほぼ同じ位置にくる。

机の高さはよい姿勢を維持するために重要。

机が低いと前傾姿勢になり首や背中に負担がかかります。

逆に、机が高いと腕を上げるため肩に負担がかかります。

この基準にすることで、自然な姿勢を保つことができ、時間が長くなっても疲れにくくなりますよ。

背もたれは、腰の部分及び肩甲骨の下の部分で、背中をしっかり支える。

腰の部分を支えることは、前かがみになりすぎることを防ぎます。

また、肩甲骨の下の部分を支えることにより、背中をそり過ぎることを防ぎます。

背もたれが腰から肩甲骨の下の部分を支えることは、正しい姿勢のために重要ですね。

膝の裏側と座面の先端部分との間には、隙間がある。

膝の裏側に隙間があることは、自然な足の位置で座るために必要です。

また、血流が悪くなったり、足がしびれたりすることも防ぎます。

背もたれと座面との間に適切な隙間があり、でん部を自由に動かせる。

椅子と背もたれの間に隙間は、腰が前方に突き出て背中が丸まってしまうことを防ぎます。

また、立ち上がる時に腰を回転させる空間を確保するためにも必要です。

子どもの体形に合った机と椅子のメリット

集中力up

子どもに合った椅子と机は集中力を向上させます。

以下に、その理由を2つ説明します。

姿勢がよくなる

子どもに合った机と椅子は姿勢が改善します。

よい姿勢が保たれると、疲れにくくなるため長い時間集中することができます。

気が散らない

例えば、足が床にぴったりと着いていないと足をプラプラさせてみたり、あぐらをかいたりして気が散ってしまいます。

子どもに合った机と椅子は気が散ってしまうことを防ぎ、集中力upに貢献します。

学習意欲up

子どもの身体のサイズに合った学習机は、学習がストレスにならないため、学習に対するモチベーションも維持しやすくなります。

また、自分専用のスペースがあることで、学習に対する意欲も高まります。

姿勢や筋力の発達

幼児期の子どもが適切な姿勢で学習することは、健康的な成長にとって重要です。

適切な高さやサイズの机と椅子は、子どもが正しい姿勢で学習することができます。

これは、背骨や関節への負担を軽減し、筋力の発達を促進することにつながります。

安全性

幼児期の子どもは、予想もつかない行動をとることがあります。

例えば、子どもの身体に合った机や椅子は低いものになるので転倒する可能性が低くなります。

まとめ

幼児期の子どもに適した机と椅子の特徴を紹介しました。

子どもに合った机と椅子は集中力や学習意欲の向上、安全性などのメリットが多くあります。

幼児期に学習習慣を身につけることは、将来の学習につながります。

幼児に合った学習環境を整え、子どもたちが楽しく学べる環境を作りのヒントにしてください。

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