身辺自立

【幼児期の生活動作】ズボンの着脱ができるようになる教え方

黒猫

ズボンの着脱は、トイレトレーニングと並行して身につけていく大切な生活動作のひとつです。

練習をはじめる目安となる時期は2〜3歳。この頃の子どもは「自分でやりたい!」という気持ちが旺盛な反面、失敗も多い時期。だからこそ、保護者のさりげないサポートがとても重要です。

うまく手助けしながら「自分でできた!」という成功体験を積み重ねることで、自立心や自尊心が育まれていきます。

この記事では、子どもがズボンの着脱を自分でできるようになるためのサポート方法を、ステップごとにわかりやすく解説します。

黒猫
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言語聴覚士
Profile
『子ども分野の言語聴覚士(小児ST)』として働いています。支援に関わる中で、「こんな教材があったらいいな」と感じたものを形にし、プリントを作成しています。

まずは「脱ぐ」から練習しよう

ズボンの着脱では、「履く」よりも「脱ぐ」ほうが動作としてシンプルです。まずは脱ぐ動作から練習を始めましょう。

ズボンを脱ぐ手順

ズボンを脱ぐのは、たった2ステップです。

  1. 手を腰のやや後ろ側に当てる
  2. そのままズボンを引き下ろす

ポイントは「手を後ろ側に添える」こと。後ろから引き下ろすことで、おしりがひっかかることなくスムーズに脱げます。

手を「後ろ側」に添えるのがコツ!おしりがひっかからず、スルッと脱げます。

後ろ側に手を添えて引き下ろすのがコツ

手を取って、具体的に教える

2〜3歳の子どもは、まだ「身体イメージ」が十分に育っていません。大人が動作を見せても、それをそのまま再現するのが苦手な時期です。

「ここを持って引き下ろすよ」と言いながら、子どもの手を取って実際に触れさせながら教えましょう。言葉だけより、ずっと伝わりやすくなります。

練習に使うズボンを選ぶ

最初から難しいズボンで練習しなくて大丈夫です。伸縮性のあるすべりのよい素材のズボンから始めると、失敗しにくくなります。

練習に向いているズボン
  • パジャマのズボン
  • スウェット素材のズボン
  • 半ズボン

「そこまでしなくても…」と思うかもしれませんが、最初の成功体験が子どもの自信につながります。難易度は少しずつ上げていきましょう。

次は「履く」に挑戦しよう

「履く」動作は「脱ぐ」よりも工程が多く、難易度が上がります。焦らずステップを分けて進めましょう。

ステップ1:ズボンを上げる練習

まず、自分で見える「前面を引き上げる動作」から練習します。

  1. 前面を上げる
  2. 後ろ側を上げる

後ろ側は手を背中に回す必要があり、おしりの出っ張りを越えるのが難しいこともあります。最初は保護者が手伝いながら、徐々に自分でできる部分を増やしていきましょう。

ステップ2:足を通す練習

ズボンを上げる動作に慣れてきたら、足を通すことに挑戦です。

最初は保護者がズボンの履き口を広げて持ち、子どもが足を入れやすい状態にしてあげましょう。片足を上げるのでバランスが難しいときは、子どもが保護者の肩につかまって行うと安定します。

慣れてきたら、保護者が持つのをやめて「自分で履き口を持つ」練習にステップアップします。

一人で履く場合は、最初は床に座った状態で行います。ズボンが見やすく、バランスも安定しているので成功しやすくなります。

「立って履く」のは4〜5歳が目安

最終目標は「立ってズボンを脱ぎ履きできること」ですが、それにはバランス感覚が必要です。立ったまま片足を上げられるようになるのは4〜5歳ごろが目安。

「ズボンを履く」動作が完全に身につくには長い時間がかかります。焦らず、長い目で見守りましょう。

シャツをズボンに入れる練習も

ズボンの着脱に慣れてきたら、アンダーシャツをズボンに入れる動作も少しずつ教えていきましょう。

コツは「シャツを押し込む」のではなく、片手でズボンを広げてもう一方の手でシャツを入れること。前・後・左・右の4箇所を順番に入れると、きれいに仕上がります。

上着をズボンに入れることも大切

練習を続けるための心がけ

ズボンの着脱の練習では、子どもに「できた!」という気持ちを積み重ねさせることがなにより大切です。以下の点を意識してみてください。

急がせない・時間を確保する

朝の支度中など時間がないときは、ついつい急かしてしまいがち。でも急かされると子どもは焦って失敗しやすくなります。

練習するなら、休日やお風呂上がりなど時間に余裕のあるタイミングがベストです。失敗してもやり直せる余裕を確保してあげましょう。

声かけは具体的に

「ちゃんと履いて」「自分でやって」だけでは、子どもは何をすればいいかわかりません。今やるべき動作を具体的に伝えましょう。

  • 「片足ずつ入れてみよう」
  • 「ズボンを持って引っ張ろう」
  • 「おへそのところまで上げよう」

小さな成功をたくさん褒める

足を入れられた、膝まで上げられた、自分からやろうとした—そんな小さな一歩も立派な成功です。

「全部できるかどうか」より「昨日よりできることが増えたか」という視点で。小さな成功を認め続けることが、自立への一番の近道です。

発達の視点から見たズボンの着脱

発達支援の観点から見ると、ズボンの着脱は単なる「生活動作の練習」ではありません。

この動作には、次のような多面的な発達が関わっています。

  • 手順を理解する力(実行機能)
  • 身体の使い方(粗大運動・協調運動)
  • 前後・左右の空間認識
  • 自己管理の力(自立心)

個人差も大きい分野です。焦らず、お子さんのペースで取り組むことを大切にしてください。

まとめ

ズボンの着脱を身につけるには、身体の使い方・バランス感覚・身体イメージ・指先の発達など、さまざまな力が関わっています。

「できない部分を練習させる」のではなく、子どもが成功しやすい環境を作りながら少しずつ自分でできる部分を増やしていくことが大切です。

この記事でご紹介した方法を参考に、ぜひ親子で楽しみながら取り組んでみてください。

ズボンを履く練習のポイント
  • 脱ぐ練習は「後ろに手を添える」から
  • 履く練習は「座った姿勢」から
  • 伸縮性のあるズボンで始め、難易度を少しずつ上げる
  • 小さな成功をたくさん褒める
  • 「立って履ける」ようになるのは4〜5歳ごろ
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『子ども分野の言語聴覚士(小児ST)』として働いています。支援に関わる中で、「こんな教材があったらいいな」と感じたものを形にし、プリントを作成しています。
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