- 子どもに鉛筆の正しい持ち方を教えたい
- そもそも正しい鉛筆の持ち方は?
- いつから鉛筆の持ち方を教える?
ひらがな練習のタイミングで気になるのは正しい鉛筆の持ち方のこと。
正しい持ち方を身につけることで、キレイな文字が書けたり、疲れにくくなるなどの効果があります。
しかし、子どもが「自然」に正しい持ち方を身につけることは難しく、適切なタイミングで教える必要があります。
今回は、子どもに鉛筆を正しく持たせるための方法やそのメリットについて紹介します。
また、練習方法や補助具についても解説しますので、是非参考にしてください。
鉛筆の正しい持ち方を確認しよう
まずは、鉛筆の正しい持ち方を確認しましょう。
大人でも意外と「正しい持ち方」ができている人は少ないです。
鉛筆の正しい持ち方
ポイント1
鉛筆は、親指、人差し指、なか指の3本の指差しで軽く握ります。
人差し指は鉛筆の先端から2.5cmあたりの位置に添えます。
人差し指は親指よりも下の位置に!
ポイント2
人差し指の第2関節と第3関節の間くらいに添えます。
残りの指は「ふんわり」と握ります。
ポイント3
鉛筆の角度は
横から見て:60度くらい
縦から見て:20度くらい
鉛筆を持つときの5本の指の役割
鉛筆操作では、指の役割分担が重要です。
鉛筆を持つ
文字のような小さいものを書くときには、「親指・人差し指・なか指」が主な役割を担います。
ものを「つまむ」時に「親指・人差し指・なか指」を使うように、鉛筆もこの3本の指で持ちます。
安定感
一方、「くすり指、子指」は手全体を安定させる役割を担います。
文字を書く上での安定感では、少し弾力が必要です。
鉛筆を持つ指と机の間の「ほどよいクッション」が理想です。
「ふんわり」握るよ。
鉛筆の3面を持つ
一般的な鉛筆の断面は6角形です。
この6面の1つおきに指をあてます。
「人差し指」が「親指」よりも下であることの重要性
人差し指が親指よりも下にあることで、鉛筆を支える位置が「人差し指の第2関節と第3関節の間」にきます。
逆に、人差し指の位置が上にあると、鉛筆を支える位置が「親指の付け根」にきてしまいます。
この持ち方では、鉛筆の先が見えません。
そうなると
- のぞき込むように見る
- ノートを斜めにして書く
- 手首を不自然に曲げて書く
などになり、姿勢へも影響します。
鉛筆の正しい持ち方が身につく教え方
正しい鉛筆の持ち方が身につく教え方を紹介します。
お子さんの学習の参考にしてください。
※左利きの方は左右を逆に考えて下さい。
ステップ1
左手で「OKサイン」して鉛筆をつまむ。
つまむ位置は指先が2.5cmくらいになるようにしましょう。
家の鉛筆削りの角度を確認して2.5cmの位置を覚えよう!
ステップ2
右手で「OKサイン」を作り、向こう側から左手の「OKサイン」とくっつける。
「くっつける」ことで、人差し指が「2.5cmの適切な位置」にきますよ。
ステップ3
左手を離して、右手の「くすり指・子指」を軽く握る。
ステップ4
指の位置の微調整。
「人差し指」が「親指」よりも先にくるように、親指を下げます。
同時に、鉛筆の上部が「人差し指」の第2関節と第3関節あたりにくるように移動させます。
★「人差し指」に添わせる感覚だよ!
ステップ5
角度が「横60度」「縦20度」くらいになるように机の上に置く。
完成!
鉛筆を正しく持つと得られるメリット
正しく鉛筆を持つことによるメリットを紹介します。
1つずつ解説します。
姿勢よく書ける
正しい鉛筆の持ち方をすることで、ピンっと背筋を正しても鉛筆の先が見えるようになります。
逆に、間違った持ち方だと鉛筆の先が見えないので前傾姿勢になったり、左側からのぞき込むような姿勢になったりします。
キレイに文字が書ける
鉛筆を正しく持つと、文字がキレイに書けるようになります。
これは、正しい持ち方では、指先を使って鉛筆を動かせるため、細かい鉛筆のコントロールができるようになるからです。
逆に、力が入り過ぎていたり、持ち方が間違っていたりすると手首を多く使うため、正確で滑らかな運筆がしにくくなります。
早く書ける
正しい鉛筆の持ち方は、書くスピードを向上させることができます。
理由は、上記の「キレイに文字が書ける」と同じで、指先を使って鉛筆を動かすことができるからです。
指先の動きは正確で細かい動きができるため書くスピードが向上します。
疲れにくい
疲れにくさは、「指先の疲れにくさ」と「姿勢の疲れにくさ」の2つがあります。
指先の疲れにくさ
正しい鉛筆の持ち方では効率的な指、手首の動きになり、余分な力も入っていないので長く書いても疲れにくいです
姿勢の疲れにくさ
正しい鉛筆の持ち方をすると、鉛筆の先をのぞき込むような姿勢になりません。
自然な姿勢のため疲れにくくなります。
指先の巧緻性が向上し脳が活性化される
また、正しい鉛筆の持ち方は、指先の巧緻性を向上させることにもつながります。
指先の動きは脳が活性化され、集中力が増し、学習効果が高まるといわれています。
以上のように、正しい鉛筆の持ち方は、さまざまなメリットがあるため、正しい持ち方を身につけることは非常に重要です。
鉛筆の持ち方はいつから教える?
結論から書きますと、お子さんの発達に合わせて教えるのが正解です。
指先の巧緻性は、成長によって少しずつ上手になっていくもの。
あまりに早い時期から正しい鉛筆の持ち方を教えても身につきません。
とはいえ、一応の目安として「指先の発達」を紹介します。
手の機能の発達からみた鉛筆の持ち方
段階1:手掌回外握り
1~1.5歳
子どもが「なぐり書き」を始めるのは1歳頃。
この頃は、指全体で握りしめ、子指側で書きます。
この後、手の機能が発達してくると「親指」側で書くようになってきます。
段階2:手指回内握り
2~3歳
握って書いていた手も次第に「親指・人差し指」が伸びて、鉛筆を支えるように持つようになります。
肩と肘を動かして書く時期だよ。
段階3:静的三指握り
3.5歳~4歳
子指側で手を支え、親指側の3本で鉛筆を持つようになります。
この時期は手首を動かして書きます。
塗り絵の時は、手首を何往復もさせて塗る様子が観察されます。
迷路もできるようになる時期だよ。
段階4:動的三指握り
4.5歳~6歳
親指と人差し指の間に隙間ができるようになってきます。
また、指先を伸ばしたり縮めたりする動きもできるようになります。
ここまでくれば、小さな丸や文字も書けるようになるでしょう。
結局いつから教える?
あくまで個人的な意見ですが、
線引き練習をする頃は握るように持つ子も、持ち方を修正してあげると「段階3」の持ち方ができる場合が多いです。
1分ほどで終わる線引き練習なら、「段階3」の持ち方を促してみて様子を確認してみてください。
段階4の持ち方が自然にできるようになったら、指の位置・姿勢も意識した練習を開始するタイミングです。
小学校入学くらいの時期を目安に、姿勢を含めた鉛筆の正しい持ち方が身につくように教えるとよいでしょう。
鉛筆の持ち方練習のコツと注意点
注意点
持ち方にこだわるばかりに、書くことが嫌いにならないようにしましょう。
一度嫌いになるとお絵描きやひらがな練習にも悪影響がでてきます。
子どもの手の発達に合った持ち方で、たくさん書かせてあげることが大切です。
コツ
鉛筆練習を行う時のコツを3つ紹介します。
無理はしない
子どもはできないことをやらされるのが大嫌い。
難しいようなら一旦引いて、期間を空けてトライしましょう。
ちょっとだけやる
鉛筆の持ち方の練習をすると、子どもがかなり書きにくそうな「ぎこちない書き方」をします。
お子さんにとって不自然な持ち方なのでしょう。
あまり長い時間やるとストレスになることもあります。
はじめは線を1本引くだけからはじめて、少しずつ増やしていくのがおススメです。
褒める
子育ての基本の「褒める」。
お子さんの頑張りを褒めましょう。
上手にできたら褒めるのではなく、頑張った過程を褒めてあげるとお子さんのモチベーションも上がるでしょう。
正しい持ち方が身につくアイテム
近頃は正しい鉛筆の持ち方ができるようになる鉛筆や補助具が多く出ています。
正しい持ち方を補助するアイテムは以下の2種類に分類できます。
- 鉛筆自体に工夫があるもの
- 鉛筆に取り付けるタイプの補助具
鉛筆自体に工夫があるもの
鉛筆に付属品をつけない、鉛筆自体に工夫があるものを2つ紹介します。
三菱鉛筆「かきかたえんぴつ」
こちらは鉛筆の軸が3角形になっている鉛筆。
上で解説した通り、鉛筆は3面を持ちます。
3角形の鉛筆は、自然に正しい鉛筆の「握り方」ができるようになっています。
特に段階3の握り方をしているお子さんにオススメです。
トンボのippo(三角軸)
この鉛筆は、軸が三角形な上に、鉛筆自体に指の位置の目安となる印がついています。
削ったところから1cm上の●に人差し指の置きます。
親指をとなりの面の人差し指より上の同じ色の●に置きます。
この鉛筆では、人差し指と親指の位置まで修正されるスグレもの。
同じシリーズの六角軸もあります。
鉛筆自体に工夫がある鉛筆の中ではこのタイプがオススメ
鉛筆の取り付ける補助具
鉛筆に取り付けることで、持ち方が修正できるものを4つ紹介します。
プニュグリップ
安価のため多く使われている補助具です。
私の家にも数個ありました。
こちらは太くて持ちやすくなるものの、「人差し指」が「親指」よりも下の理想の位置にいきにくい形状になっています。
もちもっち
子どもが好きなキャラクターがあしらわれています。
うちの子が一番欲しがりました。
しかし、キャラクターの頭の部分がジャマで、人差し指を鉛筆に添わせにくい形状になっています。
もちかたくん&ユビックス
鉛筆の持ち方を修正する補助具が2つセットになった商品です。
もちかたくん
指の位置は自然と理想の場所に矯正されます。
ただ、肉厚で実際の鉛筆よりもかなり太く握る必要があります。
鉛筆の持ち方が「段階3」のお子さんに向いています。
ユビックス
色々試した中で一番オススメです。
単純なつくりなものの理想の指の位置に矯正されます。
特に、人差し指の位置が第2関節と第3関節の位置に強制的に配置される作りになっているのが素晴らしいと感じました。
もちかた補助軸
こちらもオススメ。
人差し指と親指の位置が最適な位置になるようにわかりやすくデザインされています。
また、人差し指側のひっかかりが深く持ちすぎるのを防いでくれます。
まとめ
正しい鉛筆の持ち方を身につけることは、キレイな文字を書くだけでなく、疲れにくくなったり、指先の巧緻性が向上したりして脳を活性化させる効果があります。
また、正しい姿勢で書くためにも大切です。
さらに、快適に書くことができるので、学習にもよい影響を与えることが期待できます。
この記事で紹介した、「鉛筆の持ち方の教え方」を参考にしてみてくださいね。
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