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くろねこ
【言語聴覚士】
総合病院で働く子ども分野の言語聴覚士(小児ST)。
「ことばの発達」が専門ですが、身辺自立・運動発達の知識もあります。
「幼児ことばの教室」「通級指導教室」の先生を対象とした研修で講師もしています。

スプーンで食べよう!自分で食べられるようになるためのポイントを解説

みけねこ

スプーンを使って食べる練習はどのようにすすめる?

子どもは6カ月ころから手づかみで食べ、1歳頃からはスプーンやフォークを使って食べ始めます。

その後、2歳頃になるとこぼす量も減り、上手に食べられるようになるでしょう。

そして、ご飯を自分で食べることは以下のメリットがあります。

  • 手指の細かい運動を養う
  • 手と目の協調性が育まれる
  • 食事がより楽しくなる
  • ご両親の負担が減る など

とはいえ、上手に食べるようになるためにはいくつかのコツがあります。

そこで、この記事では幼児期のお子さんが、スプーン・フォークを使って食べられるよう教えるための方法を詳しく紹介します。

この記事を書いている人

くろねこ

  • 国家資格:言語聴覚士(ST)免許保有
  • 総合病院で働く小児ST
  • お子さんの発達を支援する仕事をしている

※この記事では「スプーンとフォーク」について記載していますが、特に分けて考える必要のない場合は「スプーン」と表記します。

目次

幼児期に適したスプーンは?

幼児期のお子さんは大人のように握れないため、スプーン選びは大切な要素です。

幼児期のスプーン選びで大切な3つのポイントを紹介します。

スプーン選び3つのポイント
  • 材質
  • 持ちやすい柄
  • 口に入れやすい形状

1つずつ解説します。

材質

シリコン製

柔らかいシリコン素材のスプーンは、子どもの口や歯を優しく保護して安全です。

熱を通しても大丈夫なので、食洗器や熱湯消毒できるものが多くあります。

プラスチック製

子どもの用の食器でよく使われる素材。

滑らかな素材のため、口に入れた時の違和感が少ないです。

木製

木のぬくもりを感じることができるので、自然素材が好みのご両親に選ばれます。

安全基準を満たしたものを使用する必要があります。

持ちやすい柄

スプーン・フォークを使いはじめるお子さんは1~2歳と思います。

この頃のお子さんは、指でつまむというよりは「手全体で握る」という持ち方をするため、ある程度太い方が持ちやすいでしょう。

また、柄に滑りにくい素材が使われているものは、お子さんがしっかり持つことができます。

口に入れやすい形状

子どもの小さな口に合わせて、スプーンのすくう部分は小さめである必要があります。

先端のくぼみ部分が深すぎるとうまく口に取り込めません。

とはいえ、平たすぎると口に運ぶ時に落ちてしまいます。

適度な深さのくぼみ部分のものがよいでしょう。

スプーンの持ち方

スプーンの持ち方は「手の機能の発達」によって4段階あります。

スプーンの持ち方は「上手持ち」「下手持ち」「バキューン持ち」の3段階と紹介されているものが多いですが、手の機能の発達からみると実際は4段階です。

それぞれ説明します。

段階1:手掌回内握り

手掌回内握り

できる年齢の目安:1歳~1歳半

すべての指でしっかり握りしめる持ち方。

段階2:手指回内握り

手指回内握り

できる年齢の目安:2歳~3歳

親指や人差し指が伸びた状態で持ち、薬指や小指で握り支える持ち方。

段階3:静的三指握り

静的三指握り

3歳半~4歳

親指、人差し指、中指をぎこちなく近づける持ち方。

段階4:動的三指握り

動的三指握り

4歳半~6歳

親指、人差し指、中指で正確に持ち、指先だけの動きがある。

薬指と小指は軽く握った状態の持ち方。大人と同じ持ち方。


先の段階の持ち方を目指すのではなく、こぼす量が少なくなってきてから次の段階の持ち方を試してみるようにします。

次の段階の持ち方をトライするときは、上記の年齢も参考にしてくださいね。

手の機能に合った持ち方をすることで、手に機能をより発達させることができますよ。

スプーンを使った食事のサポート方法

スプーンを使った食事をするときのサポートを紹介します。

特に練習を始めたばかりの時は意識してみてください。

食事の際のサポート
  • 手本を見せる
  • 手助けをする
  • 褒める

手本を見せる

子どもがスプーンを使用するとき、使い方を示すためにご両親もスプーンを使います。

くろねこ

毎食じゃなくても大丈夫だよ。

子どもは大人の行動を真似することが多いので、正しい方法を見せることで身につきやすくなります。

手助けをする

スプーンが、まだうまく使えない場合はお手伝いをしてあげます。

スプーンに食べ物をのせてあげたり、スプーンに手を添えてあげたりします。

失敗が多いとモチベーションが下がってしまうので、手助けをしながら無理なく進めて下さいね。

褒める

子どもは失敗が大嫌いな一方、褒められるのは大好き。

上手にできたらたくさん褒めて下さい。

くろねこ

上手にできなくても頑張った過程を褒めてね。

たくさん褒められることにより、食事自体をポジティブに捉えるようになり、習慣化に繋がります。

食べる時の環境

スプーンを使って食べる時に意外と忘れてしまうのが、食事時の環境です。

環境を設定することで、子どものスプーン使用をスムースに進めることができます。

以下、食事時の配慮したい環境につい4つ紹介します。

スプーンでの食事で配慮したいポイント
  • 正しい姿勢
  • 食器
  • 食べ物の形状
  • 時間と場所

それぞれ説明します。

正しい姿勢

子どもが食事をする時には、正しい座った姿勢を保つことが大切です。

安定した椅子やテーブルの高さを調整することで、スプーンが使いやすい姿勢になります。

食器

スプーンに食べ物をのせるときには、食器の「ふち」を使います。

食器の「ふち」が直角に近い方がスプーンにのせやすいでしょう。

食べ物の形状

スプーンにのせやすい形状や大きさにすることで、スプーンにのせやすくなります。

また、柔らかい食事はフォークで「小さなかたまり」に切ったり、つぶしたりできるのでフォークの操作の練習になります。

時間と場所

食事は穏やかでリラックスした雰囲気にすることが大切です。

家族の人と一緒に食卓を囲んで食事をすることで、子どもは食事に集中しやすくなります。

時間を急いだり、落ち着かない雰囲気の食事になったりしないようにしましょう。

くろねこ

食事中はテレビを消すといいね。

まとめ

子どもはスプーン・フォークを使った食事ができるようになるためのポイントを紹介しました。

特にスプーンの持ち方は、お子さんの手の機能の発達に合わせることが大切です。

この記事を参考に、お子さんのスプーンでの食事が進めば大変うれしいです。


当ブログでは「お家で子どもの力を伸ばす」をテーマに情報発信しています。

他にも身辺自立に関する情報を多く紹介していますので、他の記事も参考にしてください。

くろねこ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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