はさみが上手に使えない。みんなどうやって教えているの?
はさみを使うことは、幼児期の発達にとってとても大切なスキルの1つです。
はさみを正しく握り、物を切るという動作により
- 手先の器用さ
- 集中力
- 創造力
などが育まれます。
このような、園や日常生活のさまざまな活動に役立つ能力を高める「はさみ」ですが、安全かつ効率的に上達して欲しいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、お子さんが「はさみ」を上手に使えるようになる教え方と注意点について解説します。
はさみの練習を始める時期
はさみは3歳頃に使いはじめる道具ですが、子どもの成長は個人差が大きいのが特徴。
ある程度、指先の使い方が上手になっていないと使えません。
特に、はさみを両手で開閉して使おうとする場合は、まだ早い可能性があります。
以下の2つの動作ができるか確認してみてください。
- グー、チョキ、パーができる
- 親指と人差し指で洗濯バサミをつまめる
この2つができるようなら「はさみ」の練習をはじめてみましょう。
「チョッキン」と「チョキチョキ」
はさみの練習は、
- 1回だけ閉じて切る「チョッキン」
- 何度も開閉して連続して切る「チョキチョキ」
の順番で進めます。
「チョッキン」の練習
練習のはじめは、はさみを1回閉じて切断できる「チョッキン」の練習です。
はじめの段階では、両脇を開いて操作することが多いので、親指が下になった状態で操作する子も多いでしょう。
この場合は、親指が上になるように声かけして教えてあげます。
この時期は、はさみの開閉もぎこちないので練習としては、1回で切断できる細い紙で練習します。
はさみは切るよりも「ひらく」方が難しいよ!
「チョキチョキ」の練習
「チョキチョキ」練習の段階1
片手の開閉がスムースになってきたら、連続して切る「チョキチョキ」の練習に進めます。
連続切りをはじめたばかりの頃は、紙を動かすのではなく、はさみを動かして切るので、向きを変えるたびに机に置いて持ち変えます。
この時期は、直線を切る練習を中心に行いましょう。
その時、紙を持つ手も親指が上になるようにしてください。
「チョキチョキ」練習の段階2
子どもの成長に伴い次第に、
- はさみがお腹の前に
- はさみの先端が前を向いた状態
で固定して紙を動かして切られるようになっていきます。
この時期になったら曲線やジグザグ線、四角などを線にそって切る練習をおこないます。
幼児期の子どもが使う「はさみ」はどんなものがよい?
はさみの練習では、安全性が最優先です。
幼児期のお子さんに合ったはさみを選ぶことは、子どもが安心して使用できるようにするために重要です
幼児向けのはさみ特徴を紹介します。
- 利き手に合わせる
- 先端が丸いもの
- 適切な切れ味
- 適切なサイズ
- すべり止めのある素材
1つずつ説明します。
利き手に合わせる
右利き用と左利き用では刃の合わせが逆になっています。
左利きのお子さんの場合
左手で右利き用のはさみを使うと、切っている部分が見えずに、ずれてしまいます。
また、右利き用のはさみは想像以上に切りにくいです。
左利きのお子さんには、左利き用のはさみを用意しましょう。
先端が丸いもの
幼児向けのはさみは、丸い先端のものを選ぶようにします。
丸い刃先のものは、誤って自分や他の人にケガをさせてしまうリスクを軽減することができます。
適切な切れ味
切れ味が悪いと、力を入れて切ろうとし、手や指を傷つけることがあります。
適切な切れ味の「はさみ」を選ぶことで、安全にはさみを使うことができます。
刃がプラスチック製のはさみは、ケガをしにくい一方、切れ味がわるいのでお子さんの満足度は低いです。
安全面を最優先させた上で、金属製の刃のものが使えるようならトライしましょう。
適切なサイズ
はさみは握りやすいサイズであることも重要です。
大きすぎるはさみは操作しにくく、小さすぎるはさみは安定感がなくなります。
子どもの手のサイズに合ったものを選んであげましょう。
すべり止めのある素材
柄部分にすべり止めの加工がされているものを選ぶと、子どもははさみをしっかりと握ることができます。
はさみを使う場所
はさみを使う時には、周囲の環境も大切です。
以下のポイントに注意してください。
- 適切な高さのテーブル
- 周囲に余計なものがないようにする
- 十分な明るさ
適切な高さのテーブル
はさみを使う場所として、テーブルは適切な高さであることが大切です。
子どもに合った高さのテーブルは、正しい姿勢で作業できるため、はさみも使いやすくなります。
具体的には
「腕をまっすぐ伸ばした状態で、「ひじ」がテーブルの高さと同じ位置にくる」テーブルが子どもに合った高さです。
周囲に余計なものがないようにする
周囲に余計なものが置かれていないことも大切です。
周囲にはさみを操作するときに邪魔になるものがないようにします。
誤って電化製品のコードなどを切らないように、注意しましょう。
十分な明るさ
明るい場所ではさみを使うことで、子どもは
- はさみの切れ味
- 紙
をより正確に見ることができます。
十分な自然光がベストですが、難しい場合は明るい照明を使用するなどの配慮をしましょう。
明るい環境はケガの防止にもなるよ。
練習用の紙
はさみの練習で使用する紙について解説します。
紙の素材
はさみの練習をするときに、切る紙にも配慮したいものです。
硬すぎる紙は切りにくい一方、薄い紙は垂れてしまって切りにくいです。
一般的な印刷用紙で十分です。
目安になる線
何も描かれていない紙を切るより、目安になる線があった方が切りやすいです。
太めのペンで線を描いて、線に沿って練習をしましょう。
はじめは、まっすぐの線からはじめ、曲線にしたり、四角にしたり徐々に難易度を上げていきます。
成功体験を積み重ねる
はさみを使う際に成功体験を積み重ねることが大切です。
「かならずできる難易度」の課題を繰り返し、成功体験を積み重ねましょう。
その後、子どもの能力に合わせて少しずつ難易度を上げていきます。
はさみの数カ月かけて徐々に上手になっていくということを考慮して、難易度を上げていくようにします。
たくさん褒める
褒めることは子どもの自信を高め、モチベーションを向上させる効果があります。
上手にできたときは
- 「まっすぐ切れたね」
- 「最後まで切れたね」
- 「すごく上手になったね」
と具体的な結果に焦点をあてて褒めましょう。
失敗した場合も
- 「あきらめずに頑張っているね」
と頑張っている過程について言及します。
新たな挑戦に対しては
- 「できるようになるまで一緒にがんばろうね」
と応援・サポートするような声かけをします。
まとめ
はさみが上手に使えることは、幼児の成長にとって非常に重要です。
はさみを使うことで、手先の器用さ・集中力・創造力が育まれます。
しかし、安全にはさみが使えるようになるまで、ご両親がサポートしケガや事故がないように注意しなくてはいけません。
この記事が、どこかにいる子どもの手助けになればうれしいです。
当ブログでは「お家で子どもの力を伸ばす」をテーマに情報発信しています。
他にも身辺自立に関する情報を多く紹介していますので、他の記事も参考にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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