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くろねこ
【言語聴覚士】
総合病院で働く子ども分野の言語聴覚士(小児ST)。
「ことばの発達」が専門ですが、身辺自立・運動発達の知識もあります。
「幼児ことばの教室」「通級指導教室」の先生を対象とした研修で講師もしています。

【幼児期の生活動作】ズボンの着脱ができるようになる教え方

みけねこ

自分で上手にズボンを履けるようにしたい。

ズボンの着脱は、トイレトレーニングに並行して身につけていく生活動作です。

時期としては2~3歳。

この時期の子どもは何でも自分でしたがる一方、失敗も多いのでご両親のサポートが重要です。

うまく手伝いながら自分でできるように促していくことで、自立心や自尊心が育まれていきます。

この記事では、子どもが自分でズボンの着脱ができるようになるための、サポート方法を解説します。

この記事を書いている人

くろねこ

国家資格:言語聴覚士(ST)免許保有

総合病院で働く小児ST

お子さんの発達を支援する仕事をしている

目次

ズボンを脱ぐ

ズボンの着脱では、「履く」よりも「脱ぐ」方が簡単です。

先に「ズボンを脱ぐ」という動作について解説します。

ズボンを脱ぐときの手順は2ステップです

  • 手を腰のやや後ろにあてる
  • ズボンを引き下ろす

ズボンを上手に脱ぐためには、手を腰のやや後ろ側に添えて行います。

手を後ろ側に添えることで、おしりがひっかからずにスムーズに脱げます。

手を添える位置は具体的に教える

2~3歳のお子さんは、身体イメージが十分育っていません。

具体的にいうと、見た動作を同じように真似ることがまだ苦手です。

手を取って「ここを持つよ」と具体的に伝えるようにしましょう。

脱ぎやすいズボンで始める

ズボンを脱ぐ練習では、伸縮性のある素材のズボンからはじめるとスムーズです。

例えば、パジャマやスウェットなどがよいでしょう。

「ズボンを脱ぐ練習でそこまでしなくていいかな」と思うかもしれませんが、失敗させないことが大切です。

難易度が低い方法から始めてみてくださいね。

くろねこ

ズボンを脱ぐときは、後ろ側を持って引き下ろす!

ズボンを履く

「ズボンを履く」動作は、「ズボンを脱ぐ」よりも難易度が高いです。

ステップ1:ズボンを上げる

履く動作では、子どもが目で見て確認できる「前面を引き上げる動作」から練習します。

その後に

前面を上げる→後ろ側を上げる

を順番に行いましょう。

ズボンの後ろ側は、手を後ろに回して行う動作であり、お尻の出っ張りを越えるのが難しい場合があります。

その場合は、ご両親がお手伝いしてあげるとよいですね。

ステップ2:ズボンに足を通す

ズボンを引き上げることができるようになったら、ズボンに足を通ることに挑戦です。

はじめは、ご両親が「履き口」を広げた状態で持ってあげて、足を通すようにします。

片足を上げる必要があるので、バランスをとれない場合は、前かがみになっているご両親の肩を支えにしましょう。

いつまでもご両親が履き口を持った履き方を続けていると、子どもは自分で足を通す経験ができないままになるので、慣れてきたら子ども一人で履かせます。

子ども一人で履く場合は、床に座りズボンが見やすい状態で行います。

立って履くことを考えて

はじめは、1人でズボンを履けることを第一目標にします。

そのため床に座ってズボンを履きますが、最終的には立ってズボンが履けることを目標にします。

とはいえ、立ったままズボンが履けるようになるのは、バランス感覚が身につく4~5歳です。

「ズボンを履く」という動作の獲得は長期間かかることを覚えておきましょう。

アンダーシャツをズボンに入れる

ズボンを履くことが上手になってきたらアンダーシャツをズボンに入れる動作を教えます。

このとき、シャツをズボンに押し込むのではなく、片手でズボンを広げて、もう一方の手で裾を入れるようにしましょう。

ズボンの伸縮性にもよりますが、前後左右の4回シャツを入れる必要があります。

ズボンの着脱を身につけるためのサポート

ズボンの着脱を子どもが身につけるためのポイントを紹介します。

ポイント
  • 適切なズボンの選択
  • 手を取って教える
  • 失敗させない
  • 上手にできるようになるまで長期間かかる
  • たくさん褒める

1つずつ解説します。

適切なズボンの選択

ズボンは伸縮性のある素材のものが履きやすいです。

特に履きやすいのは「半ズボン」。

履きやすいものから練習を始め、

  • ファスナーがあるもの
  • タイトなズボン
  • ジーンズ素材

など、子どもの成長に合わせて難易度を上げていくようにしましょう。

くろねこ

ズボンの着脱練習のはじめは「半ズボン」がオススメ。

手を取って教える

子どもは目に見えない後ろ側が、どのようになっているかイメージすることが難しい場合があります。

子どもの手を取って後ろ側を触らせ

「ここを持って上げるよ」

など具体的に教えることが効果的です。

失敗させない

ズボンの着脱をはじめる2~3歳は成功体験が大切な時期です。

「自分でできた!」の達成感が得られるように、さりげなく手助けしながらサポートします。

上手にできるようになるまで長期間かかる

ズボンの着脱の最終的な目標は、「立って脱ぎ履きする」こと。

バランス感覚が身につく5歳くらいまで、長期間かかると認識しておきましょう。

たくさん褒める

子どもは褒められることが大好き。

できたらたくさん褒め、ちょっと失敗しても頑張った過程や以前と比べてできるようになったことに焦点をあてて、たくさん褒めます。

「すごいね」「上手にできたね」「頑張ったね」と声かけしてあげてください。

くろねこ

上手にできなくても頑張ったことを褒める!

まとめ

ズボンの脱ぎ履きは、

  • 身体の使い方
  • バランス感覚
  • 身体イメージ
  • 指先の発達、等

個人差があります。

親子で楽しみながら、お子さんのペースで無理なく進めていってください。

この記事で紹介した方法を参考に、お子さんの自立心を育みながら、ズボンの脱ぎ履きのスキルが身につけばうれしいです。


当ブログでは「お家で子どもの力を伸ばす」をテーマに情報発信しています。

他にも身辺自立に関する情報を多く紹介していますので、他の記事も参考にしてください。

くろねこ

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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